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第四回皇學館大學人文學會大会の開催


 平成二十三年七月三日(日)、第四回皇學館大學人文學會大会が開催され、事前申し込み62名・当日参加41名の合計103名の参加を得た。会場は皇學館大学431教室である。

 当日は午前9時50分より開会し、渡辺寛先生(皇學館大学名誉教授)の講師紹介に続き、金田裕章先生(大学共同利用機関法人人間文化研究機構機構長・京都大学名誉教授)より「知の役割、知のおもしろさ」と題した記念講演をいただいた。

 金田先生は歴史地理学を専門とされるご自身の研究歴を振り返りながら、土地の記憶をヴィヴィッドに浮かびあがらすことのできる歴史地理学の魅力と可能性、さらに広く人文学が人間と社会の基礎学となることの意義について論じられた。オーストラリアでの研究・交流をはじめ、興味の尽きない話題を交えて熱く語られた内容は人文學會大会の講演にふさわしいものであり、参加者は自身が取り組んでいる個々の課題を思い浮かべながら、人文学の現状と可能性について認識を新たにしたことであろう(講演の内容は本誌262号に掲載されている)。


金田裕章 先生

 記念講演終了後には総会が開催され、千枝大志委員を議長に選出し、平成22年度決算・平成23年度予算等について審議が行なわれた。来年度以降の会計状況や人文學會の今後の事業について担当委員より説明され、特段の異議なく原案通り了承された。
 昼食をはさんで午後一時からは研究発表となり、以下の4報告が続いた。
  亀山 泰司  日本書紀における「天照大神」の偏在について 
         ―日本書紀α群における「天照大神」の不在について―/座長・斎藤 平
  近藤左知子  大化前代の皇位継承―后妃の序列を中心に―  /座長・堀井純二
  児玉 友春  近代主義の敗北としての三・一一       /座長・岡田 登
  松下 道信  『還丹秘訣養赤子神方』と『抱一函三秘訣』について
         ―全真教と内丹諸流派の融合の一例として―  /座長・池田久代

亀山泰司氏
近藤左知子氏
児玉友春氏
松下道信氏

発表の内容は、神名のあらわれ方に注目する『日本書紀』の区分論・7世紀の皇位継承に関する政治史的考察・時局観を交えた現代史の理解・深い知見にもとづく道教史の展開と、幅広い分野にわたった。気鋭の大学院生から既に顕著な業績のある研究者まで意欲的な発表が並び、触発された会場からは活発な質疑応答が行なわれた。

(文責・遠藤慶太)

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