伊勢志摩百物語~名木・奇樹を訪ねる~
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- 13 -223237伊勢市役所伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)近鉄山田線近鉄山田線宇治山田駅JR参宮線伊勢市駅別宮 月夜見宮清盛楠見かけますし、不可思議な力が働きやすいのかもしれませんね。 名前のいわれは、平清盛が勅使として外宮に参向した時に枝が冠(あるいは乗輿)に触れて通行を邪魔したため枝を伐らせたそうで、『伊勢参宮名所図絵』には太く立派な楠に清盛の家来が斧をいれようとする所を一行が眺めている様子が描かれています。勅使として参向していながら神域の樹に手を入れるとは何とも畏れ多いことだと思いますが、異例の出世を果たした清盛には驕りがあったのかもしれません。その後、没落していく平氏を見て、この楠はどう思っていたでしょうか。 ちなみに、外宮の神官である度会常彰が著した『紀談拾遺』(1759年)には、枝を伐らせたのは清盛の子の重盛であると記されています。一度だけの参向だった重盛に対して清盛は三度あったため混同されたのか、或いは名の知れた清盛の方が聞こえが良いとされたのか、真実はわかりませんが現在は清盛楠として定着しています。ともあれ平氏であることに違いはありません。 平氏ゆかりの奇樹は、昔から多くの人々に知られる伊勢詣での名所でした。参宮の折には足を止め、歴史の流れに思いを馳せてみてください。甚だしい破損にもかかわらず、葉を青々と生い繁らせて、今日も参拝者を静かに迎えています。(朝倉 正樹)■アクセス伊勢市駅より徒歩5分、宇治山田駅より徒歩8分■周辺の見どころ◉月夜見宮…外宮の別宮で天照大御神の弟神の月夜見尊を祀る。外宮北御門から神路通りを歩いて300mほど。◉世義寺…真言宗醍醐派の寺院で、伊勢における修験道の拠点だった。毎年七夕に催される殺さい燈とう大おお護ご摩まには多くの人が訪れる。清盛楠の全容蛇の抜け殻がありました
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