神麻続機殿神社（かんおみはたどのじんじゃ）

◆伊勢志摩を歩く：28ページ
◆御鎮座地：松阪市井口中町（まつさかし　いぐちなかちょう）
◆解説：神宮の神御衣祭（かんみそさい）で天照大神に奉る「荒妙（あらたえ）」を奉織（ほうしょく）する機殿の鎮守の神をおまつりする神社である。和妙（にぎたえ）を奉織する神服織機殿神社（かんはとりはたどのじんじゃ）と比べて櫛田川（くしだがわ）の上流に位置するので通称「上機殿（かみはたでん）」と呼ばれる。

機殿を八尋殿（やひろでん）というが、これは御殿の幅が八尋であることに由来する。一尋は大人が手を左右に広げたときの長さで約１．８メートル。八尋では約１４．４メートル。八尋殿・写真（右）

神御衣祭は毎年５月１４日と１０月１４日に行われる、いわば神様の衣更え（ころもがえ）のおまつりである。５月は夏物を、１０月は冬物を奉る。
荒妙（あらたえ）は麻布で、奉織された御衣は神御衣祭の日の早朝、唐櫃（からひつ・からびつ）へ納められて内宮へ運ばれる。荒妙・写真（左）。右は和妙。（佐川記念神道博物館図録による。）

このあたりは、古くから紡績業が盛んで御糸（みいと）・麻績（おみ）・機殿（はたどの）・服部（はとり）といった地名がみられる。

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