第7回大会を平成26年7月6日(日)皇學館大学(431教室)において開催した。
午前10時より会長の深津睦夫文学部長による開会の辞の後、前半は、大平和典准教授(本学研究開発推進センター)を座長として岡村たかこ氏による「伊勢神宮の成立に関わる一試論―日神信仰と祖霊信仰―」、荊木美行教授(本学開発推進センター)を座長として南部将也氏(熱田神宮神職嘱託)による「新撰姓氏録の写本系統の再検討」、及び三品を座長として神田ひろみ氏(本学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻)による「加藤楸邨について―その父の影響を中心に―」の三つの報告をいただいた。岡村報告は、日本列島各地に遍在する日神信仰と祖霊信仰との関わりの変化を検討し、弥生時代に重層的に信仰されていたそれらのうち前者が、統一国家形成過程で後者から分離し神宮として成立していったと考察した。次に南部報告は、『新撰姓氏録』の二つの写本系統を合体させて底本としていた従来の校訂に対し、建武系の菊亭文庫本を全面的に底本とした校訂を行い、その過程で祖本と両系統の原本の間に「抄録原本」が存在する可能性を指摘した。神田報告は、加藤楸邨のキリスト教洗礼体験について調査し、それが楸邨の父の勧めによるものであって、後年に至るまで楸邨の作品や思想、生き方に対して深い影響を与えていたことを、北村透谷の『内部生命論』との関連も交えて報告した。 |