更新日20030523

祭式及同行事作法 I

〔講義目的〕
 神道は悠久の昔より神祭りを中心として伝えられてきた。その神祭り生きる神職の第一の使命は言うまでもなく祭祀の厳修である。その祭祀に奉仕するには、まず神を祭る心を己が心とすると同時に、その心の表れである形(作法)に習熟する必要がある。「祭式及同行事作法T」(2年)では、神社本庁制定の「神社祭式行事作法」に基づき、祭祀における神に対する礼法ともいうべき「作法」(基本動作)の意義、故実、沿革について講義しつつ、その実技を指導する。また祭祀の前に必ず行われる「修祓」や「祝詞奏上」「玉串拝礼」「宮司一拝」などの行事についても指導する。
 なお、祭式教室は、「教室」ではあるが、神社にあてはめると「拝殿」に相当する。また、学生にとっては、この道を極める「道場」ともいえる。したがって、受講者は、神務実習等で神社に赴く時と同様な服装・頭髪で臨み、教室内では慎みの姿勢と態度が要求される。ことに正坐については日常生活での訓練を怠らないこと。また習得した作法については、各自で復習しておくこと。

〔授業計画〕
(1)受講心得、授業予定、教科書の説明
(2)神社祭祀関係規程の解説
(3)姿勢(正坐、直立、跪居、蹲踞、祗候)
(4)笏法及び扇法
(5)敬礼及び警蹕(拝、揖、平伏、磬折)
(6) 同上(拍手、警蹕)・祭場の位次
(7)起居及び進退(起座、著座)
(8) 同上(起床、著床、著列)
(9) 同上(歩行、屈行、膝行)
(10) 同上(曲折、回転)坐礼
(11) 同上(曲折、回転)立礼
(12)円座の起ち方・著き方
(13)修祓(祓主・祝詞の執方、持方、扱方)
(14) 同上
(15)実技試験

(16)修祓(大麻所役)
(17) 同上
(18)修祓
(19)修祓、祝詞奏上(日供詞)
(20) 同上
(21)玉串拝礼(宮司・玉串後取)
(22) 同上
(23)修祓、宮司一拝、祝詞奏上、拝礼
(24) 同上
(25)狩衣・浄衣の著け方
(26)女子装束(常装)の著け方
(27)案・薦・軾後取の基本的な作法
(28)神饌献撤の基本的な作法(手長)
(29)階の昇降・大床での作法
(30)実技試験

〔評価方法〕
春学期末・秋学期末に実技試験と筆記試験を行う。実技試験・筆記試験・出席状況(重視)・受講態度・服装を総合して評価する。この「祭式及同行事作法T」の単位を取得しなければ「祭式及同行事作法U」は履修できない。

〔教科書〕
『神社祭式同行事作法教本』      長谷晴男著・神社新報社
『神社祭祀関係規程解説』       神社本庁編・神社新報社
『神社祭式同行事作法解説』      神社本庁編・神社新報社
『神社本庁例文 祝詞、祓詞及び祭詞』 神社本庁編・神社新報社

●これだけはまず覚えておこう●

  【作法の名称】

 姿勢       正坐  直立  跪居  蹲踞  祗候
 
 起居及び進退   起座  著座  起床  著床  著列  
            歩行  屈行  膝行  曲折  回転
          階の昇降  前行  前導  供奉
 
 敬礼及び警蹕   拝  揖  平伏  磬折  拍手  警蹕
 
 笏法及び扇法   持笏  懐笏  置笏  把笏  正笏  
          持扇  懐扇  置扇  把扇  正扇

 執方、持方、扱方 御匙  御鑰  御錠  祝詞  大麻
          塩湯  玉串  三方  折敷  高坏
          大角  案  薦  軾 威儀物  蓋
          翳  行障  絹垣  松明
   【敬礼の区別】    [角度]  [時間]



   拝         90度  1呼吸(3秒)
   深い平伏・磬折 60度   ─
   浅い平伏・磬折 45度   ─
   深揖        45度  半呼吸(2秒)
   小揖        15度     (1秒)
   屈行        15度  凡そ3歩
   【起居進退の原則】 

正中の場合   進左、退右、起右、坐左

正中以外の場合 進下、退上、起下、坐上