論の構築


 資料の読解が進み、いろいろな考えが浮かんでくるようになったら、その考えに筋道を与え、設定したテーマに関して、自分の言いたいことをまとめる段階になる。
 「論の構築」である。

 形の上からは、資料の読解・分析が済み、それに基づいて「仮説」を立ててから、論の構成を考えるということになる。
 しかし、実際には、そんなふうに順番に作業が進んでゆくわけではない。
 資料の読解・分析をおこない、調べたことや考えたことをテキストエディタなりで書き留める、その作業をすすめている段階のおいて、論の構成はかなり決まってくる。特に、エディタやワープロの「アウトライン」機能を使っていると、それが顕著である。
 あるいは、考えの筋道ができて、結論についての仮説が見えてくると、改めて、その考えを論証するための資料を探す必要がでてくる場合もある。
 場合によっては(しばしばあることだが)、仮説を立ててはみたが、論の構成を考えてゆくうちに、その仮説ではどうしても筋道が通らなくなって、その仮説を破棄しなくてはならなくなる。そんな時は、たいてい、資料の読解・分析の段階に立ち戻って、考え直さなければならない。

 現実には、資料の読解・分析や、仮説の案出などの段階と行きつ戻りつしながら、自分の言いたいことを、論理立ててゆくことになる。

 ここでは、まず、研究論文の構造はどのようになるか、その最終的な形を説明する。

 次いで、具体的に論の骨格の作り方を述べる。「アウトライン」の作成法である。
 アウトラインは、執筆中においては、論を書き進めるための地図の役割を果たすものであり、執筆が終了した時点においては、論文の目次そのものとなるものである。

論の構造
アウトラインの作り方


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