伊能忠敬が日本で初の測量地図を作るために江戸を旅立ったのは、彼が55歳のとき。それから71歳までの16年間、全国を歩いて精密な日本地図を作ったのだ。「人生50年」の時代だから、どれだけすごいかよく分かる。
彼は完成直前に亡くなるが、完成させた弟子が死を隠し、忠敬の手柄として将軍に献上した。その後、幕末に日本に来た欧米列強がその地図の精密さに驚き、日本への評価を改めたという。歴史はドラマに満ちているのだ。
「神道博物館」「史料編纂所」などの施設をキャンパス内に持ち、伊勢神宮の図書館・史料館である「神宮文庫」(明治39年設立)も隣接している本学だけに、学芸員の育成にも力を入れている。