現代・図書館学ゼミでは、読書・読者というキーワードを大切にしながら、図書館に関するトピックスを学びます。また、文学作品が生み出され、流通していくプロセスなども見ていきます。例えば同じタイトルの作品でも、直筆原稿にはじまり、雑誌・新聞に発表された初出のかたちとなり、単行本・全集・教科書の出版に至るなど、版が異なればテクストも変化します。旧字体から新字体へ、漢字を平仮名に、送り仮名の変更など、さまざまな変遷をたどります。版によっては、作者の意図した作品ではないかもしれません。単に「文学作品を読めればよい」というのではなく、そのテクストはどこから来たのか、どの版で読むのかなどを意識すると、書物文化がより面白く見えてきます。
【Profile】
岡野 裕行 准教授
専門/文学館、文学散歩、ビブリオバトル、学生協働、ウィキペディアタウン
論文/「三つの文学散歩:野田宇太郎からウィキペディアタウンへ」(日本近代文学)、「ビブリオバトルと子ども読書活動推進計画」(図書館界)、「大学図書館における学生協動とは何か」(情報メディア研究)