谷戸ゼミでは、『享保(きょうほう)通鑑(つがん)』という記録を題材に、江戸時代に徳川吉宗が行った「享保の改革」について考察しています。政策、法令、事件、災害など、文献に記されている主要な出来事を読むことで見えてくるのは、江戸幕府の構造や幕藩関係、近世社会のあり方。複合的な視点で享保の改革を理解し、その実像に迫ります。また、「古文書の解読」もテーマの一つです。ゼミ生は、多度大社(三重県桑名市)の神職の家に伝わった『小串家文書』をテキストに、くずし字を解読する力を修得。
「古文書を自分の力で読み解くことで、当時の人々の息吹に触れるとともに、歴史像に迫ることができます」と谷戸先生が語るように、ゼミ生たちは、自分の手で歴史をひもとく醍醐味を体感しています。こうして歴史研究に必要な知識と手法を磨き、最終的にゼミ生たちは、考察した内容をレポートにまとめて発表。それをもとにゼミ生同士で議論を交わすことで、自分一人ではわからなかった新しい「気づき」や「発見」に出会い、自分なりの「答え」をつかみ取っていきます。
<教員からのメッセージ>
素晴らしい「出会い」と「発見」は、未来を切り開く力になります。
はるかな過去で、想像を超えた世界や先人たちがみなさんを待っています。国史学科での歴史研究は、まさに「出会い」と「発見」の連続です。ここでの経験は、みなさんがより良い未来を描き、切り開く大きな力になると思います。