(令和6年度参考)神道学専攻科 授業科目解説(抜枠)
神道学専攻科神道学専攻科
神道学専攻科についてAbout Shinto Studies
堅実な学風のもと、1年の修業中に
密度の濃い神道学を探求
神社界のみならず、教育界や学界などさまざまな方面からの強い要望に応え、昭和56年に設置された神道学専攻科。神宮皇學館時代の建学の精神を継承し、教壇に立つのは文学部各学科を中心とする経験豊富な教授陣。学生の顔ぶれも社会経験や神社への奉職経験を持つ人などさまざまで、堅実な学風と清新な気風のなかで日本の歴史・伝統の核心である神道の高度な専門知識を学んでいます。
研究科・課程・専攻
目的
神道学専攻科は、各方面の強い要望によって昭和56年に発足し、神宮皇學館大學の建学の精神を継承して、学部学科の基礎の上に、神道に関する知識及び技能を精深な程度に教授し、その研究を指導することを目的としています。専攻科は、日本の歴史・伝統の核心である神道の、高度な専門的教育研究機関ですが、また将来指導神職となるに必要な基礎的資質を養うことも目標としています。
修業年限
1年
入学定員
神道学専攻 20名
資格
専攻科を修了し、神職課程に関する所定の単位を修得したものには、神職階位(明階検定合格・正階)が授与されます。
授業科目
神道学専攻科
専攻科の修了に要する単位は、次の授業科目の内、必修4単位、選択32単位(○印より16単位・□印より12単位以上必修を含め)、合計36単位以上を修得することが必要です。
基幹科目
授業科目 | 種別 | 必修 | 選択 | 備考 |
---|---|---|---|---|
神道概論Ⅰ | 講義 | 2 | ||
神道概論Ⅱ | 講義 | 2 | ||
祭祀学研究Ⅰ | 講義 | 2 | ◯ | |
祭祀学研究Ⅱ | 講義 | 2 | ◯ | |
神道古典研究ⅠA | 演習 | 2 | ◯ | |
神道古典研究ⅠB | 演習 | 2 | ◯ | |
神道古典研究ⅡA | 演習 | 2 | ◯ | |
神道古典研究ⅡB | 演習 | 2 | ◯ | |
神道史研究Ⅰ | 講義 | 2 | ◯ | |
神道史研究Ⅱ | 講義 | 2 | ◯ | |
神道神学研究Ⅰ | 講義 | 2 | ◯ | |
神道神学研究Ⅱ | 講義 | 2 | ◯ | |
祝詞研究ⅠA | 演習 | 2 | □ | |
祝詞研究ⅠB | 演習 | 2 | □ | |
祝詞研究ⅡA | 演習 | 2 | □ | |
祝詞研究ⅡB | 演習 | 2 | □ | |
神道教化研究Ⅰ | 講義 | 2 | □ | |
神道教化研究Ⅱ | 講義 | 2 | □ | |
宗教学研究Ⅰ | 講義 | 2 | □ | |
宗教学研究Ⅱ | 講義 | 2 | □ | |
宗教史研究Ⅰ | 講義 | 2 | □ | |
宗教史研究Ⅱ | 講義 | 2 | □ |
教授 板井 正斉(いたい まさなり)
専攻◆
宗教社会学・地域文化論
主な著書◆
共著『宗教・エスニシティ』(岩波講座 社会学 岩波書店、令和5年)
共編著『ケアとしての宗教』(明石書店、平成25年)
共著『宗教とツーリズム』(世界思想社、平成24年)
共著『聖地巡礼 ツーリズム』(弘文堂、平成23年)
単著『ささえあいの神道文化』(弘文堂、平成23年)
担当科目◆
神道教化研究Ⅰ・Ⅱ
春学期は、基礎編として神道教化の総論、教化史、教化体制、教化方法論など教化活動に関する基礎知識を理解・体験する。
秋学期は、前半、基礎編として神道教化の対社会活動、現代生活と教化活動など教化活動に関する基礎知識を理解・体験する。後半は、応用編として地域神社をめぐる現状と課題を具体的に理解し、課題解決を目指すための新たな教化プログラムを企画立案する。
宗教学研究Ⅰ・Ⅱ
春学期は宗教を客観的な視点で科学的に捉えることを目的とし、宗教学の基礎的な考え方や方法論を学ぶ。具体的には、宗教学の基礎的知識を修得するとともに、世界の諸宗教についても理解し、宗教やその儀礼・行事を公正な立場で比較・説明できる能力を養う。
秋学期は、宗教をアクティブラーニングという手法で学ぶことを目的とする。具体的には、主体的・対話的な個人ワークやグループワークを通じて、宗教を多面的に分析する能力を高めるとともに、宗教情報リテラシー(宗教情報を批判的に読解する能力)の習得を目指す。また、自分の見解や分析をグループの中で発表し、レポートにまとめるためのプレゼンテーション能力や思考力を養う。
教授 上小倉 一志(かみこくら ひとし)
専攻◆
書道
受賞歴◆
第76回謙慎書道展 青山賞
第30回読売書法展 読売新聞社賞
愛知県芸術文化選奨文化新人賞
日展会友
担当科目◆
書道I・II
神職として奉職した場合に必要となる毛筆書道の技術を身につけるとともに、様々な実用書式に関する知識を修得することを目的としている。
書道I(神職課程)では、楷書の基本的結構法・用筆法を学習し毛筆書道の基礎技術を身につける。また、代表的古典を臨書することにより、色々な書式の変化に対応することができる幅広い毛筆書道の技術を修得する。さらに神社業務におけるより実践的な書式の練習をおこない、それに対応できる技術を身につける。
教授 多田 實道(ただ じつどう)
専攻◆
日本中世史・神宮史・禅宗(曹洞宗)史
主な著書◆
『紀伊半島東部 曹洞宗史研究』(山喜房佛書林、平成20年)
『伊勢市史』第二巻中世編(共著、伊勢市、平成23年)
『伊勢神宮と仏教 -習合と隔離の八百年史-』(弘文堂、平成31年)
担当科目◆
日本宗教史
日本宗教史上において、 仏教が果たした役割は大きい。インドで成立した仏教は、中国を経て日本へと伝来し、独自の変化を遂げつつ定着していった。本講義では、その過程を追うことで、我が国の仏教の歴史を教義・理論・文化の側面からも理解することを目的とする。
教授 中山 郁(なかやま かおる)
専攻◆
宗教学(山岳宗教、修験道、シャーマニズム、戦争慰霊研究)
主な著書◆
『修験と神道のあいだ―木曽御嶽信仰の近世・近代』(弘文堂、平成19年)
『木曽のおんたけさん―その歴史と信仰』(共著、岩田書院、平成21年)
『教員力ステップアップ講座 あなたの授業を豊かにする究極の一冊』(共著、國學院大學教育開発推進機構、平成26年)
主な論文◆
『遺骨収集の「再開」と戦友会 ー東部ニューギニア戦友会の活動を中心としてー』(『戦争社会学研究』第2巻、平成30年)
『陸軍における戦場慰霊と英霊観』(阪本是丸責任編集『昭和前期の神道と社会』弘文堂、平成28年)
『「祭」と「教」の間で ー教派神道と皇典講究所・國學院』[神社新報](3250、3251、3552号、平成27年)
担当科目◆
宗教学研究Ⅰ・Ⅱ
この授業では宗教学の基礎的な考え方や現象の捉え方を示すとともに、日本と世界の諸宗教について紹介をしてゆきます。授業を通じて皆さんは宗教について、基礎的な知識を習得するとともに、他者に教えることが可能になります。加えて、宗教やその儀礼、行事を偏見なく観ることができるようになるでしょう。なお、毎回の授業は、受講者が授業前に自宅で「事前学習動画」を視聴してから教室でさらに学びを深める「反転授業」の形態で行われます。
教授 橋本 雅之 (はしもと まさゆき)
専攻◆
国史学・神話学・日本文化論
主な著書◆
『古風土記の研究』(和泉書院、平成19年)
『引き算思考の日本文化』(創元社、平成26年)
『風土記 日本人の感覚を読む』(KADOKAWA、平成28年)
角川ソフィア文庫ビギナーズ、『風土記』(KADOKAWA、令和3年)
担当科目◆
神道古典研究ⅠA・B
『古事記』上巻の神話を詳しく読むことを通して、神道古典の基礎的理解を深めることを目的とする。神道学のみならず国文学、国史学、民俗学、 神話学、深層心理学など様々な観点から日本神話の特色を考察し、それを自ら説明できるようになることを目標とする。また、古文を読んで正確な現代語に訳する読解力を身に着けることができるように授業を進めていく。
教授 松本 丘(まつもと たかし)
専攻◆
神道史・神道思想史
主な著書◆
『尚仁親王と栗山潜鋒』(神道史学会、平成16.5)
『垂加神道の人々と日本書紀』(弘文堂、平成20.7)
『神道資料叢刊十三 垂加神道未公刊資料集一』(皇學館大学神道研究所 平成24.3)
担当科目◆
神道神学研究Ⅰ・Ⅱ
神道は、日本人が、また国家から町村や家にいたる共同体が、敬虔に、伝統的な方法で神々を祭ってきた信仰的営みである。したがってそこにおのずから神学が発生した。その伝統的方法を探り、そのあるべき姿を確かめつつ神道に神学面から接近することを目的とする。
准教授 塩川 哲朗(しおかわ てつろう)
専攻◆
古代神祇史・神道史・近現代学説史
主な論文◆
『日本書紀・古語拾遺・神祇典籍集(大学院開設六十周年記念國學院大學貴重書影印叢書 第4巻)』 (共著、朝倉書店、平成28.3)
『古代の祭祀構造と伊勢神宮』(単著、吉川弘文館、平成30.11)
『事典 古代の祭祀と年中行事』(共著、吉川弘文館、平成31.1)
『真福寺善本叢刊 <第三期> 神道篇 (1) 神道古典』(共著、臨川書店、令和1.9)
『企画展 「大嘗祭」 図録』(共著、國學院大學博物館、令和1.11)
担当科目◆
皇室概説
日本の歴史・文化・信仰を考える上で極めて重要な位置にある皇室の基礎知識を身につけ、皇室の歴史を理解し、皇室に対する関心を高めることを目的とする。特に神道と関わりの深い祭祀や儀礼についての基礎的な理解を修得する。具体的には、皇室敬語、三種の神器、元号、宮中祭祀 (古代・近現代)、御大礼、山陵(喪葬儀礼)などを取り上げ、概要と歴史を理解し、基礎的な語彙を身につける。そして日本における天皇・皇室の存在意義に対する理解を深める。
神宮史Ⅰ
伊勢に創祀された神宮は古くより皇室と密接なかかわりをもち、神社神道や神信仰の中核的存在に位置付けられている。宮中の祭りと伊勢の祭りには古代からの祈りが生き続けている。その伊勢の神宮に関する古伝を明らかにし、創祀以来の歴史を理解して、その概要及び意味・意義を的確に表現できるようにすることが本授業の目的である。神宮史 I では、神宮の基礎的知識を確認しつつ、内宮・外宮の創祀と古代の神宮祭祀に重点を置き、神宮とその古伝・歴史の基礎事項を正確に説明できるようになることを目指す。
助教 髙野 裕基 (たかの ゆうき)
専攻◆
近代神道史
主な論文◆
「神社と教育勅語 ー国民道徳を媒介とした関係についてー」(『近代の神道と社会』弘文堂、令和2年)
「河野省三の学問と思想 ー神社を背景とした国体論ー」(『国家神道と国体論』弘文堂、令和元年)
「第一次宗教法案と明治二十年代の宗教争議 ー「都筑馨六文書」を中心にー」(『神道宗教』第245号、平成29年)
担当科目◆
神道概論Ⅰ・Ⅱ
本授業では、「神道」という用語が想定する範囲を検討することからはじめ、「天皇と神道」、「古典と祭祀」、「外来思想と神道」、「神道の教学、学説」、「神道思想史」、「教派神道」、「神道行法」、「神道の基本理念」といった広汎な領域から「神道」について検討する。
本授業の目的は、上記の検討を通して「神道」に関わる基礎知識を習得するだけではなく、「日本文化と神道との関係」や「現代の神道が抱える諸問題」について、基礎知識を踏まえて考察できる能力を養うことにあります。
神社関係法規Ⅰ・Ⅱ
Ⅰは、憲法20・89条の解釈と運用について、宗教行政史や判例を用いて説明できるようになることを目指す。
Ⅱは、宗教法人法の基本理念と特徴について理解を深めつつ、宗教法人の運営における諸問題について学ぶ。
Ⅰ・Ⅱを通して、神社管理上の諸問題を法律に基づき適切に対処するための能力を身につけることを目的とする。
近代神道史
本授業では、わが国の近代史の展開を意識しながら、幕末維新期から昭和前期までの神道が直面した問題を政教関係という視点から理解し、その要点を説明できるようになることを目ざす。
准教授 谷戸 佑紀 (たにど ゆうき)
専攻◆
日本近世史・神宮史
主な論文◆
『三重県史 通史編近世1』(共著、三重県、平成29年)
『近世前期 神宮御師の基礎的研究』(岩田書院、平成30年)
『古文書の伝来と歴史の創造 -由緒論から読み解く山国文書の世界-』(共著、高志書院、令和2年)
担当科目◆
神宮史Ⅱ
本講義では、近世から近代までの神宮の歴史を理解することを目的とします。当該期の国家や社会における位置づけはもちろん、神職・崇敬者の実像や膝下に広がる地域(宇治・山田)の様相にも注目することで、祭祀と信仰のあり方についての知見を深めたい。
また、適宜、関連する文献(史料)を紹介し、基礎的知識の獲得も目指す。
神職課程 授業科目および担当教員
神職階位(「明階」検定合格・「正階」授与)の取得には下の授業科目より、必修57単位および「神務実習(中央・神宮)」を除く、選択2単位以上を修得することが必要です。
授業科目 | 担当者 | 種別 | 必修 | 選択 |
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神道概論Ⅰ | 助教 髙野裕基 | 講義 | 2 | |
神道概論Ⅱ | 助教 髙野裕基 | 講義 | 2 | |
神道史研究Ⅰ | 教授 加茂正典 | 講義 | 2 | |
神道史研究Ⅱ | 教授 加茂正典 | 講義 | 2 | |
神道神学研究Ⅰ | 教授 松本丘 | 講義 | 2 | |
神道神学研究Ⅱ | 教授 松本丘 | 講義 | 2 | |
神道古典研究ⅠA | 教授 橋本雅之 | 演習 | 2 | |
神道古典研究ⅠB | 教授 橋本雅之 | 演習 | 2 | |
神道古典研究ⅡA | 教授 加茂正典 | 演習 | 2 | |
神道古典研究ⅡB | 教授 加茂正典 | 演習 | 2 | |
祭祀学研究Ⅰ | 教授 加茂正典 | 講義 | 2 | |
祭祀学研究Ⅱ | 教授 加茂正典 | 講義 | 2 | |
祝詞研究ⅠA | 講師 秦昌弘 | 演習 | 2 | |
祝詞研究ⅠB | 講師 秦昌弘 | 演習 | 2 | |
祝詞研究ⅡA | 講師 髙橋正樹 | 演習 | 2 | |
祝詞研究ⅡB | 講師 髙橋正樹 | 演習 | 2 | |
祭式及び同行事作法A | 講師 多賀顕 | 演習 | 2 | |
祭式及び同行事作法B | 講師 多賀顕 | 演習 | 2 | |
神道教化研究Ⅰ | 教授 板井正斉 | 講義 | 2 | |
神道教化研究Ⅱ | 教授 板井正斉 | 講義 | 2 | |
神社関係法規Ⅰ | 助教 髙野裕基 | 講義 | 2 | |
神社関係法規Ⅱ | 助教 髙野裕基 | 講義 | 2 | |
神社管理運営論 | 講師 櫻井良生 | 講義 | 2 | |
現代神道研究 | 教授 坂井正斉 | 講義 | 2 | |
情報処理Ⅰ(基礎) | 講師 王秀崙 | 演習 | 1 | |
情報処理Ⅱ(応用) | 講師 王秀崙 | 演習 | 1 | |
神宮史Ⅰ | 准教授 塩川哲朗 | 講義 | 2 | |
神宮史Ⅱ | 准教授 谷戸佑紀 | 講義 | 2 | |
皇室概説 | 准教授 塩川哲朗 | 講義 | 2 | |
宗教学研究Ⅰ | 教授 中山郁 教授 板井正斉 |
講義 | 2 | |
宗教学研究Ⅱ | 講義 | 2 | ||
宗教史研究Ⅰ | 講師 宮坂清 | 講義 | 2 | |
宗教史研究Ⅱ | 講師 宮坂清 | 講義 | 2 | |
日本宗教史 | 教授 多田實道 | 講義 | 2 | |
仏教概説 | 講師 久間泰賢 | 講義 | 2 | |
書道Ⅰ | 教授 上小倉一志 | 実技 | 1 | |
書道Ⅱ | 教授 上小倉一志 | 実技 | 1 | |
有職故実 | 講師 秦昌弘 | 講義 | 2 | |
雅楽 | 講師 飛騨大富 | 演習 | 1 | |
神務実習(基礎実習) | 教授 中山郁 | 実習 | 1 | |
神務実習(指定実習Ⅰ) | 教授 中山郁 | 実習 | 1 | |
神務実習(指定実習Ⅱ) | 教授 中山郁 | 実習 | 1 | |
神務実習(指定実習Ⅲ) | 教授 中山郁 | 実習 | 1 | |
神務実習(中央・中央) | 教授 中山郁 | 実習 | 1 |
(令和6年度参考)
神職階位(専攻課程Ⅰ類:明階検定合格・正階授与)
高等課程は、神社本庁「神職養成機関に関する規程」の第四章(第二十条)に、「神道に関する知識及び技能を精深な程度において教授し、並びに神明奉仕の精神を涵養せしめることを目的とする」とあり、将来指導神職たるべき素地を養うため大学に設置されています。
- 履修手続き
- 「神職課程履修申込書」を、期日までに神職養成部へ提出すること。
- 履修後に神職課程を辞退する場合は、指導教員に相談・報告の上、「神職課程履修辞退願」を必ず神職養成部へ提出すること。
- 明階申請
大学卒業後・修了後、神宮・神社・神社本庁・神社庁の職員(神職・巫女・事務員を問わない)として2年以上在職し、神社本庁研修規程に基づき、必要な研修を受講した後、各都道府県神社庁を通して「明階」を申請することができます。