神道研究所研究開発

沿革

昭和48年4月に文学部附属の研究所として設置され、同53年4月に大学の附置研究所として機構が拡大され、平成25年4月からは附置研究機関の改編により、研究開発推進センター神道研究所と改称、令和5年に創設50周年を迎えました。

目的及び事業

神道は、日本の社会・文化の中で発生し、古くから受け継がれてきた日本民族固有の神信仰に根ざした精神の営みといえます。個別的な宗教ではなく、また偏狭なイデオロギーでもありません。それは豊かな歴史と伝統に育まれ、様々に結実・開花した日本文化の核をなしています。

今日の国際化時代において、日本の伝統的な文化への関心がたかまりつつあります。その核にある神道をグローバルな視点から再検討し、その本質を深く研究することは、国際化からの要請に応えるばかりではなく、新たな時代に向かって新しい文化を創造するための基礎を築くことに他なりません。

本学は伊勢の地における学問の伝統を継承して創設されて以来、神道の学問的研究を使命としてきました。本研究所は、この神道研究の一層の充実をめざし、内外の要請に応えるために創設されました。

これにより、神道に関する高度な研究活動・研究者の育成・研究成果の公表・内外の研究機関との学術交流をもって斯界の発展興隆に寄与することを目的とし、以下の事業を行っています。

  • 神道に関する調査研究

    本学が神職養成機関として創立された歴史の流れを汲み、神道に関する高度な学術研究を行っています。その活動は「総合研究」と「部門別研究」に大別され、総合研究は皇室祭祀・神宮祭祀の2つ、部門別研究は神道思想、祭祀、神道史、宗教・民俗、文学・芸術の5つを掲げています。

  • 研究成果の発表・刊行
  • 研究会・講演会・シンポジウムなどの開催
  • 内外の研究機関および研究者との交流、資料の収集
  • 神道思想の普及・啓発

研究組織

現在は、以下の総合研究と5つの部門で、それぞれ次のような事業を進めています。

総合研究

皇室祭祀の研究

歴代天皇の即位に際して一代一度の重儀として斎行される大嘗祭をはじめ、日本文化と日本民族の精神生活の伝統を知るうえで重要な研究課題が含まれています。

神宮祭祀の研究

伊勢神宮の最古の重要古典である『延暦儀式帳』の読解を中心に、祭祀や遷宮に研究の重点を置いています。また、神宮祭祀研究の一環として、資料の収集と諸祭儀・行事の調査、データベースの構築を進めています。

部門別研究

第1部門 神道思想

時代ごとの神道家や近世国学者に関する調査研究を行っています。

第2部門 祭祀

宮中・神宮・全国の神社の祭祀・行事の調査研究を行っています。

第3部門 神道史

古代より現代に至る神道史に関わる研究を行っています。とくに近代の政教問題に重点を置いています。

第4部門 宗教・民俗

神道の宗教的側面、民俗文化との複合・関連の研究を目的としています。

第5部門 文学・芸術

神道と文学・芸術の関わりを研究の目的としています。とくに神道古典の研究、神道関係語彙の分析に力を注いでいます。

刊行物

  • 単行書

    『大嘗祭の研究』(皇學館大学出版部、昭和53年)、『続大嘗祭の研究』(皇學館大学出版部、平成元年)、『訓讀註釋 儀式 踐祚大嘗祭儀』(思文閣出版、平成24年)

  • 『神道書目叢刊』1~7
  • 『神道資料叢刊』1~18
  • 『皇學館大学研究開発推進センター神道研究所所報』(第86号で終刊)
  • 『皇學館大学研究開発推進センター神道研究所紀要』(第30輯で終刊)

公開学術講演会

学内外の研究者や神職を講師として招聘し、神道を中心とした日本文化・歴史を主題とする公開学術講演会を、教職員・学生・一般市民を対象に年1回開催しています。

公開学術シンポジウム

神道研究上における基本的かつ重要な論題、または最新の研究課題等を主題とし、研究の論点を整理し、研究の展望を開くシンポジウムを、教職員・学生・一般市民を対象に年1回開催しています。

利用案内

場所 佐川記念神道博物館内
図書・資料の閲覧 事務室にお申し出ください。但し史・資料の閲覧は事前の申請が必要です。 閲覧時間は、月~土曜日(大学休業日は除く)の9時30分~12時30分、13時30分~16時50分(但し、土曜日は12時30分まで)