我らの母館は明治15年4月神宮祭主久邇宮朝彦親王の令達により「皇學館」が創設されて以来、明治36年に正式に官立専門学校、昭和15年神宮皇學館大學に昇格、そして戦後昭和37年再興された私立皇學館大学を経て、本年で創設142年、再興62年の誇りある歴史を築いてきました。そこで、同窓会組織「皇學館館友会」存在の意義と役割を改めて表明します。
館友会は、創設後の明治26年に卒業生による同窓会として発足したことを起源とし、平成5年に百周年を迎えました。その間、終戦後廃校の憂き目を見ましたが、昭和26年に同窓会「五十鈴会」を設立し、その熱意と尽力が原動力となって、昭和37年私学・皇學館大学として再興されました。そして、昭和41年に現「皇學館館友会」と改称されました。現在、本会は、正会員である卒業生、準会員である在学生、特別会員である教職員から成っており、正会員数はおよそ3万名となりました。
館友会の活動としては、年4回の会報「館友」の発行、各都道府県の支部による総会、年一回の全国大会において親睦を図るとともに情報の交換をおこなっています。この活動により先輩・後輩の結束は強く、他大学からも羨まれるほどで、親子二・三代の館友も珍しくありません。大学の基盤も再興当初の文学部単科から教育学部・現代日本社会学部の三学部となり、中学・高校・大学・大学院・神道学専攻科と更なる発展を遂げております。
昨今、少子化現象による就学層の減少傾向により、全国の大学においても生き残りをかけた諸対策が練られています。我ら皇學館も決して例外ではなく、このことに真剣に取り組まねばなりません。そのためには、戦後の再興を果たしたと同様に、卒業生館友の絶大なる力が必要となり、大学も強く期待しているところです。
私ども館友は、聖地伊勢を母体として学んだ我が国の歴史・文化・伝統に誇りをもっています。そして、そのことを子孫・未来に繋げていく責務もあります。館友会会員の皆様には、館友会活動に積極的にご参加いただき、更なる母館発展のためにご協力ご尽力を賜りますようお願い申し上げましてご挨拶とさせていただきます。
皇學館館友会 会長 千秋 季賴