月例文化講座生涯学習・公開講座・公開授業
月例文化講座について
月例文化講座は、皇學館大学が再興された昭和37年以来開催している市民講座です。
年度ごとに各学科が担当し、年間テーマを設定して実施します。
受講料は無料です。どなたでもご参加いただけます。
受講にあたって
受講方法は、「対面形式」と「オンデマンド配信」があります。
受講にあたり事前の申し込みが必要です。申し込み方法はインターネットのみです。先着順にて受け付けします。
〔対面形式を希望される方〕
- 体調不良の症状がある場合は、受講をお控えください。
〔オンデマンド配信を希望される方〕
- パソコン、タブレット端末、スマートフォンのいずれかをご準備ください。
- Wi-Fi環境下など、安定した通信環境での受講をおすすめします。
- 通信にかかる費用は、受講者のご負担となります。
- kogakkan-u.ac.jpおよびパソコンからのメールが受信できるよう事前の設定をお願いします。
申し込み方法
受講を希望する回の「対面形式」・「オンデマンド配信」を選択し、必要事項を入力の上、送信してください。申し込みの完了をメールで通知します。
お申し込みいただいた個人情報は適切な方法で管理し、今回の公開講座に使用する以外の目的での使用並びに第三者への提供および開示は行いません。
〔対面形式を申し込まれた方〕
講演日当日、会場へお越しください。
〔オンデマンド配信を申し込まれた方〕
申し込みフォームに入力されたメールアドレスに「視聴用URL」をメールで通知します。配信期間になりましたら「視聴用URL」からアクセスしてご視聴ください。配信期間については、メールおよび講座スケジュールをご確認ください。
講座スケジュール
第1回 万葉集を読む ―大伴坂上郎女の歌―
講師:教授 大島 信生
万葉集は現存最古の和歌集です。歌の数は4500首余りあり、現在に至るまで多くの人々に読み継がれてきました。この講座では、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の歌を取り上げます。坂上郎女は、大伴旅人の異母妹で、大伴家持の叔母であり姑でもあります。万葉集に女性歌人として最多の84首の歌(短歌77首・長歌6首・旋頭歌1首)を残す坂上郎女の歌をご一緒に読み、その魅力に迫っていきたいと思います。
第2回 『古今集』の伝本、注釈の諸相 ―『顕注密勘』定家自筆本を中心に―
講師:教授 木村 尚志
令和6年、京都の冷泉家時雨亭文庫で定家自筆の『顕注密勘』が発見されました。およそ八百年前の承久三年三月末、承久の乱を目前に控える頃に擱筆した本書の内容は、顕昭の『古今集秘注抄』に藤原定家が家説を書き加えたもの。歌道の本体である『古今集』の本文や解釈をめぐり、歌道家がしのぎを削った時代の空気、当時歌人をやめ家説を残すことに後半生の情熱を傾けていた定家の息遣い等をこの書物から感じ取りたいと思います。
第3回 近世の書籍と出版 ―十返舎一九『的中地本問屋』をめぐって―
講師:教授 田中 康二
蔦屋重三郎に代表されるように、江戸時代は出版文化が花開いた時代です。十返舎一九もそういった出版文化華やかなりし頃に登場した作家ですが、その代表作『東海道中膝栗毛』が出る直前に『的中地本問屋』という黄表紙(現代のマンガ)を出版しています。当該作品は一九が著した出版文化入門のような本です。『的中地本問屋』を読み解いて、江戸の出版のシステムを学びましょう。
第4回 明治文学のビジュアル・イメージ ―徳冨蘆花「不如帰」を材に―
講師:助教 平石 岳
小説の革新が推進されていた明治期の文壇の一部には、「挿絵無用論」が唱えられるなど、文学作品に付随するビジュアル・イメージを排そうとする動きがありました。しかし、実際に明治文学に関する書物を繙くと、その中には文字だけではない、豊かな表現世界が多々見受けられます。この講座では、近代日本のベストセラーとなった徳冨蘆花「不如帰」を材に、演劇や映画の世界ともつながっていく、文学とビジュアルの関係性を考えたいと思います。
第5回 痕跡を残せるか
講師:准教授 岡野 裕行
図書館では「日本十進分類法」(NDC)という規則を用いて、主題別に資料整理を行います。文学という主題は数字の9で始まる規則になっており、一般的に蔵書数の多い日本近代文学作品には913という番号が付与されます。分類法を眺めると、文学には「日記.書簡.紀行」(915)や「記録.手記.ルポルタージュ」(916)も含まれるようです。図書館的には「日記」「手記」も文学なのです。それらの書物はどういう働きをするのでしょうか。
第6回 神宮文庫に伝わる道教文献 ―『唯一神道垂印』を中心に―
講師:教授 松下 道信
皇學館大学の隣りにある神宮文庫は神宮司庁が所管する図書施設で、伊勢神宮を中心とする神道関連文書を多数収蔵しています。ここには『唯一神道垂印』という本が残ります。これは道教の霊符を集めたもので、一見すると神道と無関係に思えます。では、なぜこれが神宮文庫に収められたのでしょうか。本書が書写された意図とは?この講座では、『唯一神道垂印』を通して見えてくる神宮文庫収蔵までの来歴とその背後の歴史に迫ります。
第7回 拓本の世界
講師:教授 上小倉 一志
書道において歴代の石刻資料は、変遷してきた書体や書風を学ぶときに最も大切なものとなります。篆書・隷書・草書・行書・楷書と変化してゆく文字の姿には何が求められ、過渡期における人々のどのような思いが込められていたのかを、書体が変化しようとする微妙な時期の拓本を見ながら考えていきたいと思います。
第8回 方言集の世界
講師:学長 齋藤 平
古くから、方言に対しては、興味・関心が持たれてきました。そのため、たとえば、安原貞室『かたこと』(京都)、匡子『浜荻』(仙台)、編者未詳『浪花聞書』(大阪)、そして、越谷吾山『物類称呼』(全国)といった方言集が編まれました。この講座では、それぞれの方言集が何を目的に編集され、どういったことばが収められているのかについて、考えてみたいと思います。